写本の展覧会

 こんにちは!マンドリン演奏家、また大学院博士後期課程でマンドリン音楽史を研究しているかなえもんです。

 先日、国立西洋美術館で開催されたリトグラフの展示と合わせて、「内藤コレクション 写本―いとも優雅なる中世の小宇宙 https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2024manuscript.html」を訪れました。

(リトグラフの展示の感想ついてはこちら

 まだ印刷技術がなかった中世ヨーロッパでは、すべての書物や楽譜が手書きで作られていました。また、当時はまだ現在使用される五線譜ではなく、「ネウマ譜」という楽譜が使用されていました。今回の展示では、2015年度に筑波大学・茨城県立医療大学名誉教授の内藤裕史氏から寄贈された聖書や詩編集、時祷書、聖歌集が約150点展示されていました。特に、ネウマ譜で書かれた聖歌集は、予想を超える数が展示されており、歴史的な楽譜の豊富さに驚かされました。

 母が学部の卒業論文でネウマ譜について書いていたことから、「五線譜以前の楽譜」であるネウマ譜の存在は知っていたのですが、私自身が本格的に勉強したのは大学入学後の音楽史の授業からでした(特に、所属した美学芸術学科の授業でも扱われましたが、単位互換制度を利用して、同志社女子大学の音楽科の音楽史や比較音楽文化学、音楽社会学なども時間の許す限り受講しました)。

 私が通ったエリザベト音楽大学大学院はカトリック系なので、入学式やミサでネウマ譜を使って歌うこともあり、その頃から実際にネウマ譜を見る機会が増えました。

 今回、これまで写真でしか見たことのなかった中世の写本を、実物として間近に観賞することができました。緻密で丁寧に描かれた文字や絵は保存状態も非常によく、約6~700年前に作られたものだとは信じがたいほどでした。彩飾もとても美しく、展示を通じてその技術と美しさに何度も驚かされました。

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